人間関係

嫌われる勇気

■すべての人に好かれることは不可能だ

 

アルフレッド・アドラーの『嫌われる勇気』は「人の悩みのすべては人間関係である」と喝破している。

人は絶えず変化してゆく。自分も他人も一様にである。あらゆる人間に好かれることなど不可能なのだ。では「人づき合い」という点において我々はどう考えるべきなのだろうか。

 

■逆算の心理学

「アドラー心理学は劇薬である」という者は多い。アドラー心理学は常に「目的」にフォーカスしているからだ。たとえば残業続きの挙げ句、ミスを出して落ち込んでいる社員がいるとしよう。この場合、普通は「仕事が忙しいからミスが出た」と考えるのが妥当だろう。しかしアドラー心理学では「ミスをしたいから残業している」と捉える。

これは常識的に考えて妥当とは言いにくい。しかし「自分を変える」という点においてこれほど効果的な考え方はない。なぜなら「ミスをしても自分に言い訳ができる」という原因にたどり着くことができるからだ。

本当にミスをしたくないのであれば、

・残業を断る
・効率化する
・人に頼む

など、手段はいくらでもある。

アドラーはこのように「目的のために行動(感情)は作られる」と捉えるのである。

 

■問題は「今、ここ」にある

アドラー心理学では、常に目的から原因を探り出す。過去、いやな思いをしたとしてもその原因は「今、ここ」にある。それを変えればすべては変わると考えるからだ。

アドラーは①すべての人間は劣等感を抱いている②善行を為す③他人に期待しない、ことを述べている。

先述した、仕事でミスをした社員であれば「①そもそも自分は不完全なものだ」と認めることで、他人に対して堂々と対処することができるようになる。忙しいからなどという言い訳をせずに済むようになる。

そして「②効率化を始めとして、できる限りのことをした」結果、「③他人に期待しない」ようにすれば、問題はスムーズに解決する。仮にミスを出したとしてもきちんとフィードバックすれば済む話だからだ。

 

■課題を分離する

もう一つ。アドラー心理学で重要な点は「課題の分離」だ。これは「7つの習慣」でスティーブン・コヴィーが述べている「影響の輪・関心の輪」に似ているものだ。

人にはそれぞれの課題がある。世の中には介護をしている人もいれば、人間関係の軋轢で苦しんでいる人もいる。しかし、それは彼ら個々人の課題なのだ。それを明確にするためには「どこに最終的に責任があるのか」にスポットを当てる必要がある。

この責任が明確になれば、今抱えている悩みはそれが「自分の悩み」なのか。それとも「自分に関係のない事柄で悩んでいるのか」がはっきりと見分けられるようになる。

繰り返しになるがアドラー心理学は劇薬の要素が強い。鵜呑みにすれば大やけどを負う恐れすらある。しかし上手に使えば、有用なスキルとして人生に役立てることができるだろう。

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